東京の伝統工芸品東京の伝統工芸品 Traditional Crafts of Tokyo

株式会社近藤染工
(かぶしきがいしゃこんどうせんこう)

株式会社近藤染工
(かぶしきがいしゃこんどうせんこう)

ピンクもグラデーションをかけてこんなに雅やかに。江戸の昔、襖(ふすま)や衝立(ついたて)を彩った"からかみ"の世界をじっくり堪能(たんのう)。

ピンクもグラデーションをかけてこんなに雅やかに。

見学しよう

布地を染めムラのない柔らかな風合いに染め上げる作業工程を追いかけてみましょう。所要時間は1時間以内。色見本とまったく同じように染め上げる色合わせは実に見事です。

皮を巻く布の硬さにも神経を使うそうです。下ごしらえ:白生地を染める前に熱湯に通したあと、染料の定着をよくするために酢酸溶液に浸します。

酢は染めたあとの色止めでも活躍します。

毎年組合が作成する見本帖を使います。色合わせ:膨大な色数の中から選んだ染料を混ぜ合わせ、見本に忠実に色をつくります。わずかな量でも色合いが大きく変わるので細心の注意を払います。

毎年組合が作成する見本帖を使います。

毎年組合が作成する見本帖を使います。

明度・彩度・色相を合わせるのは至難の業です。染色機:布地を巻きつけて回しながら、目指す色が出るまで1時間染色します。

明度・彩度・色相を合わせるのは至難の業です。

ホースで丁寧に洗い流します。水元:染め上がった布地を水洗いして、余分な染料や不純物を取り除きます。

ホースで丁寧に洗い流します。

蒸気でプレス加工を施しています。プレス:専用のプレス機を使い、染色した布地のしわをのばして幅を整えます。

蒸気でプレス加工を施しています。

体験しよう

ビー玉やクリップなど身近な雑貨でシルクの小切れ絞り染めにチャレンジしましょう。輪ゴムなどでしばった部分が染められずに白く残り、おもしろい模様になります。

身近な雑貨でぼかし方を工夫できるのが楽しさです。ビー玉・おはじき・ゴルフボール・ペットボトルのキャップ・アルミの筒などの中から柄を想定して好きなものを選びます。

身近な雑貨でぼかし方を工夫できるのが楽しさです。

利き手でヤスリを、反対の手では紅木を動かします。出来上がる模様を想像しながら、選んだものを輪ゴムで縛ったり、クリップで布地をはさんだりして染まらない部分をつくります。

ゴムをきつく巻けば染まらないところがくっきり白くなります。

毎年組合が作成する見本帖を使います。

色見本通りに色合わせできるようになるまで10年はかかる大変難しい技術です。職人さんが、色見本帖を見ながら希望の色をつくって染めてくれます。赤・黄・青・紫・黒で何万通りもの色をつくるのは実に見事。

色見本通りに色合わせできるようになるまで10年はかかる大変難しい技術です。

布地を切らないようにはさみを入れます。輪ゴムを切ってクリップをとり、道具をはずします。どんな柄ができているかは見てのお楽しみ。

布地を切らないようにはさみを入れます。

スカーフやテーブルセンターなど自分のアイデアで使いましょう。ゆすいで脱水してもらったら完成です。ビニールに入れて持ち帰ることができます。

スカーフやテーブルセンターなど自分のアイデアで使いましょう。

担い手の声

きびきびと働きながら、染めへの想いを淡々と語ってくれました。染めが好き。着物をもっと着てほしい。

近藤 慎治 こんどう しんじ
無地染職人

「色合わせは難しい作業ですが、お客さんにいい色だと言われたときはうれしいものです。無地染めの技法はグラデーションやぼかしなどに限られるので、洗濯しても色落ちしないものをつくるなど、他の点を工夫したい。また、日本人ですからもっと着物を着てほしい。古い着物を洋服に仕立てることもできます。どんな形でもいいから着物地をまとってほしいと思います」

きびきびと働きながら、染めへの想いを淡々と語ってくれました。