東京の伝統工芸品東京の伝統工芸品

江戸更紗

えどさらさ

江戸更紗 写真

インドが生んだ色鮮やかな布を、江戸が解釈すると、こうなった。
約三千年以上前にインドで誕生した更紗紋様は、木綿に五彩(臙脂、藍、緑、黄、茶)を用いた紋様染めである。アジアやヨーロッパなどに普及し、その土地の歴史や文化を反映しながら発展を遂げた。日本には14〜16世紀頃に伝来したといわれる。江戸更紗は、日本の伝統的な染色技法である型染めを応用することで、複雑な柄を多色刷りに仕上げる独自の進化を遂げた。少ない柄で二十枚、多い柄では九十枚ほどの型染めを繰り返すことで、淡い同色系のグラデーションの表現を可能にした。さらに日本の染め職人の技術を生かし、染料を生地に摺り込む刷毛の当て具合などをコントロールし、微妙な陰影やぼかしを生み出していく。原色の多色柄を基調とする海外の更紗と異なり、落ち着きのある色合いも特徴だ。現在はストールをはじめとする服飾品、パーテーションなどのインテリアにも挑戦している。異国情緒あふれる紋様と、江戸の美意識に適う渋い色合いは、文化を超えた美の融合として親しまれている。
東京都染色工業協同組合
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