東京の伝統工芸品東京の伝統工芸品 Traditional Crafts of Tokyo

江戸鼈甲

えどべっこう

江戸鼈甲

あなたの輪郭に、心地よくフィットする。
江戸鼈甲は、ウミガメの一種である玳瑁の甲羅によって作られる。ワシントン条約によって国際取引が規制されているが、「種の保存方法」などの管理下で国内販売は禁止されていない。玳瑁は主に南東の海域やインド洋に生息し、透明の黄色地に黒褐色の斑が入った模様を特徴とする。ほかの亀に比べて模様が美しく、熱によって細工ができることから、古くから結髪道具の笄や簪などに用いられてきた。かつて日本を統治した江戸幕府の初代将軍・徳川家康も、鼈甲製の眼鏡を愛用した一人である。職人の技術は、張り合わせの工程において最も発揮される。無地と模様のバランスには職人の個性が表れ、ひとつとして同じデザインは存在しない。眼鏡は肌にやさしく、軽い特性を持ち、輪郭にフィットする。ブレスレットや指輪といったアクセサリー類は、金属アレルギーの人でも愛用可能だ。三味線のバチの音色は代用がきかないといわれるなど、希少な天然素材の特性を生かした作品づくりが行われている。
主な製造地 文京区、台東区、墨田区ほか
指定年月日 昭和57年2月4日
平成27年6月18日(国)
伝統的に使用されてきた原材料 タイマイの甲羅

伝統的な技術・技法

  1. 削りは、がんぎ、小刀、やすり等を用いて手作業にて表面を整える。
  2. 張り合せは、つぎ板、金板、金ばし、圧締器(あっていき)等を用いて、熱を加えながら接着する。
  3. 型作りは、糸ノコ、小刀、やすり、トクサ等により行う。

沿革と特徴

鼈甲細工の歴史は大変古く正倉院宝物の中に杖や琵琶の一部分に玳瑁の甲羅が使われていることからも明らかである。江戸鼈甲が作られたのは江戸幕府が開設された頃といわれ当時は甲羅をそのまま使うなど細工も簡単だった。元禄期(1688-1704)に貼り合わせの技法が江戸に伝えられ複雑な造形ができるようになった。

江戸鼈甲の材料は、数多い亀のうちでも特に甲羅の質が装身具や置物の材料として利用できる玳瑁の甲羅を使う。玳瑁は、赤道近くの海域に生息し大きいものは、50-60才で全長180センチメートル体重200キログラムにもなる。また、亀の背中の甲羅はかならず13枚で黒くなっている部分を斑(ふ)といいますが斑以外の透明な部分は約10%しかなく、特に珍重されている。

国際的に絶滅の恐れのある動植物の保護が叫ばれており、良質な天然鼈甲の確保が懸念されているが、今日では、赤道近くのインドネシアやキューバでの人工増殖が行われておりその成果が期待されている。

製品はまず甲羅からの木地取り、製品の形と斑の位置を先に決めて、同じ物を2-3枚水と熱で張り合わせる。この時の湿し方と温度と圧力の加減で張り合わせの良否が決まるといわれ長年の年季と熟練がものをいうところである。最後にやすりと木賊(とくさ)で磨き上げていく。

ネックレス、ブローチや眼鏡の枠など天然の鼈甲製装飾品には、奥行の深い光沢と肌触りがあり多くの人に愛用されている。

連絡先

産地組合名 東京鼈甲組合連合会
所在地 〒103-0004 中央区東日本橋2-10-5 東京都化粧品小売協同組合4階
電話番号 03-3823-0038
産地組合名 東京鼈甲工芸品工業協同組合
所在地 〒110-0001 台東区谷中3-22-8 江戸べっ甲田中内
電話番号 03-3828-9870
産地組合名 東日本ベッ甲事業協同組合
所在地 〒103-0004 中央区東日本橋2-10-5 東京都化粧品小売協同組合4階
電話番号 03-3823-0038
産地組合名 東京装粧品協同組合第4部会
所在地 〒111-0053 台東区浅草橋3-21-2
電話番号 03-3862-4741