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東京染小紋

とうきょうそめこもん

東京染小紋 写真

その生地に、あなたは二度魅了される。
小紋とは、極小の柄の模様が繰り返し描かれた染め物である。17〜19世紀中盤、諸大名が江戸城に登城する際、どこの藩か区別するために衣服(裃)に模様を染めることで発達した。模様は0.5〜1ミリ程度の小さな点や細い線で構成され、代表的な柄である極鮫では、3センチ四方に千個もの点が滲むことなく染め抜かれている。遠目には無地に見えるため帯と合わせやすく、第一印象の華やかさで主張するのではなく、近くで見て初めて気づく染めの巧みさを“粋”とした美意識が表現されている。手作業で染めることで反物全体に陰影を生み、平面に奥行きを与える技術への評価は高い。白いままの裏地は技術の高さを証明するもので、染料が裏まで抜けないことで極小の模様を際立たせる。柄と色の組み合わせはオーダーメイドでき、単色染めだけでなく、複数の柄と色で染め分けることも可能。東京染小紋は和装の世界にとどまることなく、上質を体現する染め物として、ネクタイやチーフ、ストールなどにも活用の幅を広げている。
東京都染色工業協同組合
東京都新宿区西早稲田3-20-12